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計算の順序①

計算の順序といえば、

「×や÷を先にやって、+と-をあとにやる」

といったものを思い浮かべる人が多いと思いますが、今回はそのことではありません。

例えば
246+573という計算があったとしたら、筆算をするときの手順は

①一の位の6+3をやり9と下に書く
②十の位の4+7=11と出し、1を下に書き、くり上がりの1を百の位にメモ
③百の位はさきほどの1をいれ1+2+5=8
④よって答えは819

これが小学校で習う手順で、世の中の99%以上の人はこう計算しているはずです。このように、一般的には右から左へ計算していくのですが、私はちょっと違って、左から右へ計算します。そろばんの習熟度が高い人は左から右へやるようですが、私はそろばんを習ったことはありません(原理は知っております)。

はじめは私も右から左でしたが、きっかけは私が高校の時です。その頃はPHSから携帯電話へシフトするのが主流となり、携帯電話も画面がどんどん大きくなり、少しずつゲームアプリなんかが出始めた頃です。ただ、今と違って性能はかなり低いので、単純なゲームしかありません。良く覚えているゲームがありまして、天井に針の山があり、全体が上にスクロールしていって、放置しているとその針に刺さってしまうのですが、マリオみたいなキャラが床を渡り歩きながらどんどん下へ降りていくことで針から逃げていくというゲームです。こんなしょうもないゲームですが、いかんせん初期だったのでダウンロードできるゲームの種類が少ないこともあって、かなりのプレイ人口(何十万人)で全国ランキングみたいなものもありました。

私はこういうのをやり始めるとランキングに載らないと気がすまない性質(たち)なので、かなりやり込んで複数のアカウントでランキングに載せた記憶があります。正直申し上げますとそのゲームと今回のテーマ自体は何の関係もないのですが、記事書いているうちに昔を思い出し、勝手に懐かしくなっちゃったので書いちゃいました。このブログではよくあることです!

で、話を戻しますと、他のゲームアプリの中に計算アプリがありました。計算の速さには自信があったので、暇つぶしにやってみようということで、手を出したのですが、筆算形式になっているくせに、答えが右から打ち込めないんですよ。どうしようもない○○ゲーだなと思ってやめようかと思ったのですが、何だか悔しくてちょっと続けてみたんです。

何度か続けていくうちに、左から答えを書くというのに慣れてきて、サクサク打ち込めるようになりました。そこであることに気づいたのです。

「左から書く方が自然なのでは?」

考えれば考える程そう思えてきました。冒頭の246+573という計算を見て下さい。はじめに一の位が9とわかることに何かメリットがありますかね?それよりも、この計算の答えは大体700か800位だろうということがはじめにわかることの方がよっぽど大事なのではないかと。

暗算で答えを言う時なんかは特に力が発揮されます。右からの場合は全て終わってからじゃないと「はっぴゃく…」と言い出せません。しかもそれまでの位の数を全て覚えておき「はっぴゃくじゅうきゅう」と言わなければいけません。

左からならとりあえず十の位をチラ見して、くり上がりがあることが確認できたら「はっぴゃく…」と言いはじめ、後ろが計算できていなくても口を動かしている間に一の位をチラ見してくり上がりがないことを確認し「じゅう…」と言っている間に一の位を計算して「きゅう」と言えば、出された瞬間に答えを言えます。しかも前の数字を覚えておく必要がありません。

「チラ見したときにくり上がりがないと判断したけれども、実はそのさらに右の位でくり上がりが発生していて、実はくり上がりとして計算しなければいけない場合はどうするんだ」

という意見もあります。例えば3456+5582のような計算です。右をチラ見してくり上がりが無いと判断し「はっせん…」と言い始めたけれども、実は十の位でくり上がりをしていて、「きゅうせん…」と言い出さなければいけなかったというようなものです。

ただ、これに関して言わせてもらいますと、それは左から計算する習慣がない人が言う意見です。実際にやってみればわかりますが、だましのくり上がりが発生するシーンはほぼありません。それもそのはずです。全ての数字がランダムで組まれていたとしたときの確率を計算してみればわかります。

----------------------(飛ばしてもいいです)-----------------------

6年生でないと理解するのは厳しいかもしれませんが、算数的に確率を求めます。

整数同士の和の場合、だましのくり上がりが発生する条件としてはある同じ位同士の和が9になり、その右の位の和が10以上(今回はそれより右の位がないものとします)で終わっているときです。

①ある位の数字の組み合わせは、0~9の10通り同士なので、10×10=100通りです。和が9になるのは(0、9)(1、8)(2、7)(3、6)、(4、5)の5通りで、逆もあるので5×2=10通り
②その前の位の和が10以上になるのは(100-10)÷2=45通り ※ちょっと難しいですが、何故この式で出るのかは自分で考えて下さい。わからなければ質問して下さい。

よって100×100=10000通り中 10×45=450通り しかありません

(実際には和が10でなくて9の場合でもその右の位次第でくり上がることもあるので、もう少し発生頻度は高くなります。そうなると5%にかなり近い値になりますが、5%は超えません。)
----------------------------------------------------

ということで確率的に5%未満です。
だましが連続する場合だと①を2度くり返す必要があるので、0.5%未満になります。

というわけで、ほぼ発生しないことをデメリットとして挙げる必要性はあまりないのと同時に、そもそも私の場合、いつからかチラ見して9が出たら危険信号が出るように勝手に脳がプログラムされてしまったので、全く問題ありません。左からやる人は全員そうなんじゃないでしょうかね。

今年の卒業生には授業中に筆算を書いて計算したとき

生「いや、カッシーおかしいでしょやり方(笑)」

とよく突っ込まれたものです。その時はニコニコ(ニヤニヤともいう)していただけでしたが、そういうシーンを見て数人でも左からやるメリット等を自分の頭を使って考えてくれていればとても嬉しいですね。

あ、ちなみにここまで書いておいて何ですけれども、

このやり方は9割の生徒には推奨しません。

理由としてはいくつかあるのですが、1つには身につけるまで時間がかかるということです。完全に身についてしまえば、暗算が格段に速くなるというメリットがありますが、中途半端な状態だとむしろミスが出てしまいます。

また、中学入試で暗算が必要なシーンはあまりないということも挙げられます。個人的には中学入試という枠にとらわれないで、計算や暗算に対して貪欲な姿勢を見せて欲しいのですが、中学入試の指導員という立場上、複雑な思いはありますね。やってみて「これはちょっと違うな」と思ったらやめるでもかまいません。こういうやり方があるということだけでも知っておくと、計算に対しての考え方に広がりが出ると思います。やってみたことは決して無駄にはなりません。

注意して欲しいのは右からの計算も遅かったり間違えたりする生徒はこれをやるにはまだ早いのでやらない方が良いということです。右からの計算が完璧で、速さもかなりあるけれども、これ以上は速くなりようがないという時に自分の殻を破るために使うというのが正しい順序でしょう。


まあ、一言で言ってしまうと

「暗算王に、俺はなる!(ドン)」

っていう人だけやってみればいいんじゃないですかね!

あ、掛け算編もあります。むしろこっちがメインなのですが、長くなったのでまた今度にします。

テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

カッシー

Author:カッシー
首都圏の中学受験専門塾で教室長をやっております。
中学受験情報、塾内での出来事、雑談等を記事にしていきます。
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