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すべり止めと合格率2

前回の続きです。

【偏差値帯によって大きく違う】
前回の記事では、かなりざっくりした計算で合格率を出しましたが、これはあくまでも80%偏差値という数字が疑いも無く正しいものと仮定した時の話です。

実は偏差値60の子が65の学校を受かる確率と、偏差値35の子が40の学校を受かる確率は同じではありません。後者の方が圧倒的に受かりやすいです。

理由は特にここでは書きませんが、事実としてそういう傾向にあります。ここ数年の動向を知っている塾関係者ならば誰もがわかっていることです。

このあたりのことも考慮して下さい。


【持ち偏差値を勘違いしてはいけない】
人間良かったことは良く覚えているものです。偏差値60を取ったことがあるというのと、毎回取っているのではまるで意味が違います。1回取ったことがあるだけで、その実力があると思ってはいけません。

「友達が全国1位なんだよー、すごくない?」

色んな人がこのセリフを聞いたことあると思いますが、その全国1位の友達は多分全員別人です。

また、最後の模試(12月)が一番入試に近いので参考になるからと言って、そのデータしか見ないのは良くありません。模試の結果は平気で±10近く前後します。たまたま良い時が最後に来たかもしれません。その結果を見て「最後に伸びた!」と勘違いし、志望校の選定を間違えないように気をつけて下さい。

そして一番やっかいなのが、カンニングをして良い偏差値を取ったパターンです。毎年何人かおります。これについては、また別の機会に記事にしようと思います。



【模試の偏差値よりも過去問】
かなり初期の記事で書きましたが、合不合と難易度や形式が似ている学校はそう多くありません。算数を見ても最後の方にある問題レベルを出題する中堅校はありませんし、最初の方にある問題レベルを出題する難関校もありません。また、時間もそこまで厳しく作られておりません。

実際に過去問を解き、合格最低点に対してどの位足りていないのかというデータを参考にする方がよっぽど重要です。

ただ、この際に気をつけたいことは3点あります。

1つ目は「採点」です。記述の多いものに関しては難しいです。基本は自分や親が解説を読みながらどこがポイントなのかを考えて採点して欲しいですが、どうしても甘くなりがちになってしまいます。迷った時は塾の指導員に頼むのも良いでしょう。

2つ目は「カンニング」です。これは別の機会に書きます。

3つ目は「絶対評価」です。ちょっと意味がわからないかもしれませんので補足しますと、例えば合格最低ラインが180点だったとすると、それはその年の受験生内での相対評価でつけられたものですが、自分が過去問として解く時はそれが絶対評価になるということです。

① 9月に過去問を解いて合格最低点-40点(上記の例だと140点)だった。
② 9月に模試を受けて偏差値-15だった。

①と②は両方とも合格には全然足りておりません。この結果を見て

「よし、ここから努力して差を埋めるぞ!」

と誰もが頑張るのですが①の差は埋まる可能性が高く、②は低いです。

①は頑張った分マイナスの数字が減りますが、②は頑張ってもまわりが同じだけ頑張ったならマイナスの数字が減らないからです。

①は伸びて行く様子が実感できるし、声がけがポジティブなものになりやすいです。②はその逆でネガティブ要素が詰まっています。どちらを重視すべきかは精神衛生面も考慮すると言うまでもありません。

過去問の結果が秋の段階で多少悪くても諦めないで下さい。とは言うものの、もちろん限度はあります。諦める必要があるかどうかはわが子の授業を担当している塾の指導員に聞いた方が良いです。授業を担当していない教室長等に聞いても意味はありません。偏差値から客観的な答えが返ってくるだけです。

長年指導している人ならば、学校の問題傾向とその子の持つ特徴から、同じ偏差値でも合格可能性がある子とない子を見分けられます(「合格可能性がある」=「合格する」ではありません。攻めても良い位の合格率があるということです)。直接「合格はムリ」と伝える人は少ないでしょうから、そのあたりはニュアンスで掴む必要があるかもしれません。



【最後に】
過去問を解いていない今の段階から不安になる必要は全くありません。今はとにかく幅広い偏差値帯の学校に足を運んで、通わせても良いと思える学校を絞り込んでいくことです。

中堅校にも良い学校はたくさんあります。上位の学校(一部の特殊な学校を除く)と違う所と言えば、メンバーの差位なものです。学力のある友達やOB(OG)に価値があるという方は、自分自身が学校内で目立たない存在で6年間過ごす可能性というデメリットも忘れてはいけません(もちろん学力だけが尺度ではありませんが)。

中堅校ならば友達やOB(OG)の学力はそこまでではないかもしれませんが、注目を浴び、期待を背負いながら6年間過ごすことができる可能性があります。悔しければ大学入試の時にリベンジすればいいんです。

2月1日で第一志望に選ばれやすい学校の倍率は約3倍です。

みんなが1日に本命を持ってくるわけではありませんし、複数回あるところもありますが、それを考慮しても半分以上は第二志望以下へ行くわけです。


「すべり止め」


という言葉はわかりやすいので使う一方で、心の中では


「いくつかある行きたい学校の中の1つ」


と思うことができれば良いかもしれませんね。



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すべり止めと合格率1

リクエスト記事です。

「すべり止め校として考えて良いのは持ち偏差値に対して-5?-10?どこまで下げれば良いのか見当がつかず、不安がつきません。」

という内容でした。

まず、偏差値という言葉についてですが、「四谷大塚の合不合80%偏差値」であることを前提にお話したいと思います。

ご存知だとは思いますが、例えば偏差値50の学校を偏差値50の生徒が受けたら、80%の確率で合格できます。これはあくまでも過去のデータであって、次年度もそれが適用されるとは限りませんが、そこは読めないところなので、あまり考えないようにします。

すべり止めをどこまで下げれば良いかという質問に対してですが、これは受験回数に大きく依存すると考えて下さい。



【すべり止め校が1校で1回しか受けない場合】
すべり止めというのはほぼ100%に近い確率で受かるからすべり止めなのであって、受かる可能性が高いというだけでは意味がありません。

これを考えると偏差値50の生徒が偏差値50の学校を受ける場合、計算上では80%の合格率になります。当日の体調が悪かったり、苦手なところを多く出題されたりした場合を考えると、確実というには少し物足りません。

偏差値45の学校を受ける場合ですと、ほぼ確実ラインまできます。40なら確実と言ってしまって良いでしょう。

すべり止めを1回だけに設定している場合は、かなり安全策をとるべきです。



【すべり止め校を複数回受ける場合】
こうなると、考え方がさきほどと全く変わります。この場合は偏差値のマイナスをとるどころか、むしろ若干プラスにしても滑り止め扱いになることがあります。

複数回のうちどこか1回でも受かってしまえば合格になりますから、全部落ちる確率がほぼ0%に近いならすべり止めとして機能します。

例えば偏差値50の学校を偏差値50の生徒が3回受ける場合を考えます。1/5で落ちますから、それが3回連続で起きる確率は1/125、つまり99%以上の確率で合格できます。これならば確実と言ってしまって良いでしょう。

偏差値55の学校を3回受ける場合も考えてみます。偏差値が+5になると1/2で落ちますから、それが3回連続で起きる確率は1/8、つまり87.5%で合格できます。すべり止めとしては若干不安ですが、この数字をどうとらえるかは各ご家庭の判断にお任せします。

このように、受験回数によって合格率はかなり変動しますので、計算してみて下さい。


次回は受験回数だけでなく、他の要素も考えてみます。



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Author:カッシー
首都圏の中学受験専門塾で教室長をやっております。
中学受験情報、塾内での出来事、雑談等を記事にしていきます。
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