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生徒がするズル~番外編~

生徒がするズルシリーズですが、まだ1回しか書いてないにも関わらず番外編という暴挙に出ようと思います。

我ながら本当にデタラメな人間だと思います。



さて、ズルに関してですが


低学年が圧倒的に多い


というのは御存じでしょうか。

6年になれば賢くなって色々頭が回ってズルが多くなりそうと思いがちですが、実はそうではありません。

低学年の場合、ズルをする子はクラスで1人2人というレベルではありません。いたるところでイカサマが蔓延っています。

そんな生徒達も5年、6年と上がっていくと少しずつ減ってきます。

「今までズルをしていたが、しなくなった」という生徒は多いですが、「今までズルをしていなかったが、するようになった」というドラマ等で使いやすい設定の生徒は稀です。(親からのプレッシャーが突然強くなるとたまに起こるケースですが)

ズルをしなくなるタイミングですが、ほとんどの子場合


自分ができないことを認めるようになった時


です。このタイミングから学力がついてくることが多いです。

間違えを認めて直したり、理解できないものを質問したりするという、勉強において当たり前のことが普通に出来るようになるからです。



では、どういう子がズルをするのでしょうか。


プライドはあるのに自信がないからズルをするし、実力がないことを認めたくないからズルをします。つまり、自己評価が甘い子です。いつか記事で書いた「彼を知り、己を知れば…」の己を知ろうとしません。

では何故そうなってしまうのでしょうか。

色々原因はあると思うので、それを思いつくまま全部書いてしまったら記事が終わらないので、今回は1つだけ挙げさせてもらいます。

私は公立小学校の低学年までの指導に問題があると思っています。



塾に来る子達は基本的に学校の勉強は苦労していない子達です。

これまで習ってきた学校の勉強ははっきり言って簡単です。内容のレベルも低いですし、その低いレベルのことを長い時間をかけて教えます。それを数年続けたわけですから、勉強=簡単なもので、教えられたことは簡単に理解できるし覚えられると思っています。

そしてある一定以上のレベルの生徒達は100点という横並び評価をされ、100点同士の優劣が良くわからないという状況にあります。(同じ100点でも本当はすごい差があるのに!)



ここで大事になってくるのは、中学受験の立ち位置です。中学受験というのは小学校で100点の子達を0点~100点(時にはそれ以上)に分類するシステムです。

例えば100点でも下の方のレベルの子が中学受験塾に入ったとしましょう。

すると塾の勉強がまるでわからないわけです。先生が何を言っているのか断片的にしか理解できない。授業での達成度も低く、テストを受ければ30点、40点です。

その子にとってはこの状況が理解できないわけです。

学校では指されれば積極的に答えられるし、テストだって100点。バツが1つでもつこうものなら恥ずかしい。出された問題は全てマルでなければならないし、それが当たり前。

こう思っています。

そうなると今の状況を否定するためにズルに走ります。回って見ている時に10問中4問しかできていないことは把握されているにもかかわらず、出来た個数を聞くと10本指を上げます。

指の本数が少ないと周りからバカにされると思うのか、それとも自分のプライドが許さないのか、それは各々違うとは思いますが、低学年の場合、正直に指を上げる生徒の方がむしろ少ない位です。

どちらかというと女の子程ズルが多い傾向にあります。女の子の特徴として10本指を上げるのではなく、8や9(本当はその半分しかできていない)で上げるところです。男はアホですから10本上げます。

逆もありますし、少しだけ水増しみたいな子もおりますが、あくまでも傾向の話です。


ここで公立小学校に要求したいのは、100点を取るような子達をマルだけ与えて誉め続けるのではなく、間違えることは全く恥ずかしいことではなく(真剣に考えた結果ならば特に)、むしろその後に成長があるんだということをもっとキチンと教えてあげて欲しいということです。

まあ…でもそれはムリなんでしょうね。

こういうことは実際に体験させないといけません。こんな綺麗事を口でいくら言っても全く響くことはありません。

しかし体験なんてそもそも不可能な話でして、簡単に100点が取れるカリキュラムですから間違えを直すという概念がそもそもありませんし、理解できないものにぶち当たるという経験はありません。

そうなると、それは結局塾の役割なのかなと思うのですが、何か違う気もするんですよね。そういう心の成長とか、人として持っておくべき大事な考え方というようなものこそ学校が教えていくべきジャンルであって、それを初めて塾で体験するというのはどうなんだろうかと思います。



と、ここまで書きましたが、これは結局塾側の意見なんですよね。小学校の現場は現場で大変なんだと思います。上の子達に多くの時間を割いているヒマはないのでしょう。

むしろ上の子達程家庭がしっかりしていますからほっといても問題がありませんし、そもそも難関中学の合格実績を出すことを重視する組織ではないので(むしろ嫌ってさえいることも)、より多くの学力をつける必要すらないわけです。

先生たちにとって重要なのは


100点の子を伸ばすよりも、100点の子を増やすこと


ですから。


というわけで、この状況を変えるのは難しそうです。



最後に、実はズルについてわからないことが1つあるんですよね。

今世紀最大の謎と言って良いかもしれません。



正解の個数を誤魔化して指を挙げているあの子達

そこには一切の陰りも曇りもない、さあ見ろと言わんばかりの目

そしてピーンと伸びる腕

誰がどう考えても完全にズルをしているのに


彼らは何であんなに良い顔をしているんだろう



そしてそれをいちいち指摘するのが面倒だから笑顔で集計するカッシー。


本当にズルいのは私かもしれませんね。



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Author:カッシー
首都圏の中学受験専門塾で教室長をやっております。
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