受験勉強と行動経済学2

続きです。

「答える時のポイントは3秒以内に答えること」

「OK、即答します!」

「ではいきます」

「(ゴクリッ)」

「箱が3つあり、当たりは1つです。まず、あなたはその中から1つを選びます」

「ふむ」

「次に選ばなかった2つのうち、1つを空けて外れを教えてくれました」

「…(モンティ・ホール問題かな)」

「あなたは自分が空ける箱を、残ったもう1つの箱に変更することができます。変更しますか?しませんか?はい、3…2…1…」

「あー待った待った!」

「?」

「1つだけ質問良い?時間稼ぎしているわけじゃなくて、その質問の答えを聞いたら即答する」

「なに?」

「その外れって『外れを空けた』の?それとも『空けたら外れ』だったの?」

「えっと…『外れを空けた』でいいかな」

「ああ、そんじゃ『箱を変更する』よ」

「うん、正解。一応理由聞いていい?」

「残った方が2/3の確率で当たりだから」

「すごいね。え、この問題知ってた?」

「モンティ・ホール問題だよね。よく数学者とかで意見が分かれたって言うけど、あれって絶対カッシーが質問で聞いたような前提条件をキチンと説明していなかったからだよね。ベイズの定理の初歩で間違える数学者とかおらんでしょ…笑」


多分こんなやり取りだったはずです。

問題を出している知人はこのブログの存在を知っているので、会話内容はほぼそのままで書いています。(そんなこと言ってないとか後で文句言われそうなので笑)

これは有名な問題で元々知っていたため、全く頭を使わずに答えを言うことができました。

これではシステム1(直感的)とシステム2(合理的)の判定はできませんね。


「じゃあ、次いくね」

「ほい」

「5台のトラックで5個の穴を掘るのに5時間かかります」

「ふむ」

「では100台のトラックで100個の穴を掘るのには何時間かかりますか」

「5時間」

「…」

「いやー、すまんね。空気読めなくて」

「…正解。すごいね」


実際はすごくも何ともありません。

というのも、これはただの仕事算で、普段から生徒に教えている内容だからです。(5年生で習います)


「じゃあ、次行くね」

「ほい」

「A、B2つの商品があって、合わせると200円でした」

「ふむ」

「AはBより10円高いです。Aはいくらでしょう」

「105円」

「…」

「いやー、すまんね。空気読めなくて」

「…正解。すごいね」


実際はすごくも何ともありません。

というのも、これはただの和差算で、普段から生徒に教えている内容だからです。(3、4年生で習います)


他にも問題があった気がしましたけど、こんな感じで全部終わりました。

大体1秒以内で答えた気がします。

というわけで、カッシーはシステム2で考える人間という認定をされてしまいました。



さて、これらのやりとりから何を伝えたかったのかを書きます。

全て答えられたことを自慢したいわけでも、合理的な人間であることをアピールしたかったわけでもありません。

考えて欲しいのは、なぜ1秒以内に即答できたのかです。

システム2が機能していたにしては、明らかに答えを言うスピードが速すぎます。


答えは単純


その問題を知っていたから


もっと正確に言えば、問題を知っていたというより、その系統の問題の間違えパターンを知っていたからです。


例えば、最後の和差算の問題


よくある間違えパターンは、

200÷2=100

100+10=110

これです。

半分にしてから10円を足しちゃうやつで、生徒の間違えあるあるです。

3、4年生で初めて習うと、こう解く生徒はそれなりにいます。

繰り返し触れていくと間違える人数は段々と減っていき、高学年になればほぼ全員がまず間違えなくなります。

「この問題を知っている」

ではなく

「この問題はこう間違えることが多い」

まで行くと、問題に対する理解度や精度が1ランク上がります。


また、この問題を見て

「同種の間違えパターンで『PQ間を兄と弟で向かい合って同時に出発したら、中央より100mだけQ側ですれ違いました…(略)』という速さの問題があるよね」

というところまで連想できれば理解度や精度が2ランク上がります。(※上の例は2人の走った距離の差は100mではなく200mで、生徒の間違えあるあるです)

問題を深く理解するためには間違えパターンを知っておくというのはとても重要なのです。


しかし、こういったものは指導員という立場で千人近く教えてきて、数多くの間違えを見てきたからこそわかることです。

当然、生徒本人にはそんな機会は無いわけですから、どのように問題の理解度や精度のランクを上げればよいのでしょう。


続きます。


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受験勉強と行動経済学

アントレの入室説明会は年に2回しかありません。

ご機嫌の時は3回やります。(意味不明)

大体11月と1月にやるのですが、そういえば今月は11月です。

つまり、入室説明会があります。

あります…というか練馬はすでに終わっちゃいました。

ひばりの日程ですか?


数時間後ですね





なぜ、宣伝をもっと早い段階からしないのか理解に苦しむところですが、少し視点を変えてみることも大事です。


確か、去年はブログで全く宣伝しませんでした。

ちなみに「しませんでした」と言う表現を使ってしまったことで、「敢えてしなかった」感じが出ていますが、ただ忘れていただけです。

しかし、今年は数時間前に宣伝したという飛躍的な成長を遂げました。

あまり変わらんじゃないかと言われそうですが、したかしてないかは大きな違いです。

「1が10になった」よりも「0→1になった」の方が時に価値があることもあります。

内容はともかく


やったということを評価する


そういうのって大事なんじゃないかなぁ…と思うんですよ。

子供達が日々成長しているようにカッシーも日々成長しています。

あたたかく見守っていただければと思います。





さて、つい先日、知人と行動経済学の話をしていた時のことです。

こう書くとちょっと賢い人っぽい感じが出ちゃってますが、内容は大したことありません。


簡単に説明しますね。


ダニエル・カーネマンという学者が


「人間の思考モードは2つのシステムに分けられる(キリッ」


と言ってノーベル賞を取った話です。(かなり省略しました)

入力していて気づきましたが、この学者、かなりお金が好きそうな名前ですね…。

カーネマンを日本語に直すと


金男


ですよ!

お金が大好きなのは間違いなさそうです。

ただ

英 : カーネ

和 : 金

という訳に関しては審議が入りそうですが、意訳ということでいいでしょう。


さて、その2つのシステムとは「直観的思考」と「合理的思考」に分けられるようです。

カーネマンはその2つのシステムに名前をつけました。


その名前はというと…な、なんと


「システム1」と「システム2」です!!!





そのままやんけ


もうちょい名前を考えればいいのにって思いました。

どうやらシステム1が直観的思考、システム2が合理的思考なようです。


知人は行動経済学のセミナーを受けたばかりで、カッシーに披露したがっています。

面倒ですが、素直に聞いてあげるのが人の情けというものです。


「カッシーがシステム1とシステム2どっちで考えることが多いのか判定してあげる」

「ほう…私をためすと…しかし、果たして私という人間の大きさをそんなもので計り切

「今からいくつか質問するから答えてね」

「はい」



次回へ続く


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受験結果に対する向き合い方

ここ一ヵ月程、左目の上まぶたがすごい勢いで痙攣するんです。

昼間は大体お母様達と面談しているのですが、左目のせいでまるで集中ができません。


「ウチの子は勉強に取り掛かるまでが長くて…」

「塾では集中力がある方なんですけどねぇ(ピクピクッ)」

「やっと座ったかと思ったらすぐにトイレに行ったり…」

「なるほど(ピクピクッ)、1時間のうち集中している時間は実際どの位ですか(ピクピクッ)」

「恥ずかしながら半分も集中できていないと思います…(涙」


「私もですけど(ピクピクッ)」


「えっ!?」

「あ、…いや(ピクピクッ)」


という様子です。

あまりにもぴくぴくがおさまらないため、とうとう2週間を超えたあたりから


「実は良いエクササイズになっていて、まぶたの脂肪がとれて目元がスッキリするんじゃないか」


などとアブトロニクス的な効果を期待するようになり、むしろポジティブに考えられるようになりました。

思考の変化というものは本当に恐ろしいものです。

こうやってポジティブに物事を考えられるのはカッシーの良い所だとよく言われます!



しかし、冷静に考えたら左目だけスッキリしても、あしゅら男爵みたいになるだけなので、メリットは少なそうです。

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それはさて置きこのように、起きている事象は変わっていないけれども思考を変化させ物事の捉え方を変えるというのは、受験生の子を持つ親にとってかなり重要になってきます。


一般的に第一志望に合格できる受験生は3人に1人と言われています。

倍率等を見ればわかりますね。

学年が上がるにつれて、上がっていかない子供の成績や偏差値から第一志望を変化させていったという例も考えると、当初に考えていた潜在的な第一志望に合格できた生徒は5人に1人もいないんじゃないでしょうか。


つまり、


大多数は本当に満足いく結果が残せません


こういった悲しい現実があります。

しかし、その時こそ思考を変化させる時です。

例えば


「もし第一志望に入っていたら6年間深海魚で過ごすことになったかもしれない」

「受かった学校の方が成績上位で自己肯定感が育ち、気持ち良く6年間を過ごせると思う」


非常に良い切り替え方です。

もちろんそれで悔しさが完全に消えるわけではありませんが、完全に消す必要もありません。

その気持ちが適度に残っているからこそ、次が頑張れるわけです。


他には


「これまで学んできたこと、積み重ねてきたことに価値ある」

「受験勉強を通して勉強習慣がしっかり身についた」


というように、結果ではなく過程を重視するというのも良い切り替え方です。

これから大学受験、就活、国家試験等まだまだ盛りだくさんなわけですし、それらに挑戦するための強固な土台ができたわけですから、それだけでとても大きな価値があるわけです。



結果のみに大きな価値を置く人には「逃げの発想」だと思われるかもしれません。

ただ、なんというか…


別に逃げていいんじゃないかと。


というより、向き合い続ける意味が特に無いです。


だって、10年経ったらどうでも良くなるし。


恋愛と同じじゃないですかね。

フラれてこの世の終わりな気分になっても、しばらくしたら結構どうでも良くなり


「そもそも何が好きだったんだろう…顔?」


そして


「冷静に考えたら顔もたいしてかわいくなかったわ」


から


「金遣い荒くて、めっちゃ金かかる女だったな!」

「思えば口から出てくる言葉の8割が嘘だったじゃねぇか!」


等とむしろマイナス方向へ行くわけです!!!

…失礼。


まぁ、受験ではそこまで行きませんね。


というか、恋愛でもさすがにカッシーはそこまで行きませんよ?


英国紳士(ジェントルマン)ですし。


ただ、世の中にはそういう人もいるかなぁ…と、ね?





ね?



というわけで、状況に応じて思考を変化させるというのはとても有効なので是非試してみて下さい。


と、ここまで書いていてある事実に気づきました。


目のぴくぴくが消えている!!!


これは治ったかも!?

キーボードを打ちながら、全く集中力を乱されることがありません。

いやー良かった…実は悪い病気にかかっているんじゃないかと心配していたんです。




え?

目元がスッキリするから、ぴくぴく運動がむしろ良かったんじゃないかって?


いや…


そんなわけないじゃん…
※思考を変えることに成功




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算数をどこまで追うか2

続きです。


また、難化だけがデメリットになるわけではありません。

経験がある方も多いと思いますが、テストで安定して高得点を取るためには、ある程度の余裕が必要になってきます。

問題レベルが自分の上限ギリギリの状態ではミスも多発しますし、問題全体を理解して大体の答えを感覚的に推測する(常識的に有り得ない答えにしない)余裕や、検算をしてミスを修正する余裕も生まれません。

その余裕を作るためには、学校のレベルを上限とした勉強では不可能です。


ここまで読むと


難しいことをやらせなきゃ!


と思うかもしれませんが、そういう誘導をするためにこの記事を書いたわけではありません。

これはあくまでも合格の見通しが立ってる生徒のギャンブル性を低くするために有効な方法を示しているだけです。


国理社が多少難化しても大体の場合、得点(横軸)と人数(縦軸)のグラフにできる山が全体的に左に動くだけです。

それは教科の特性上、得点率3割以下にほとんど人がいないからです。

しかし、算数が難化した場合には、山の形が崩れて山の頂点が左に寄り、全体的に左が盛り上がり、右になだらかな長い坂ができるケースがあります。

この時に坂の住人になることができれば、まず合格できてしまいます。

難化傾向が逆にチャンスとなるのです。



今、アントレの6年生は土曜日に入試演習をしています。

ここでは全員の全教科の得点を出した順位表を出しています。(成績上位者以外匿名)


もう順位表も7枚たまったので、そろそろおわかりいただいたかと思います。

よっぽど他教科が酷くない限り


順位は大体算数で決まっていますよね。


そして上位陣と下位陣でそれほど国理社の得点差が大きくないということにも気づいたはずです。

手元にない方も多いと思いますので、ちょうど先週やったばかりの男子上位クラスの得点分布を1つ示してみます。

dansijoui.jpg

実際はもう少し国語でもブレますが、傾向としてはこんなものです。

どうやって合格点を取りに行けばよいのか、是非参考資料にして下さい。



残念ながらこの記事は、例えば自分の持ち偏差値が50で60の学校にトライしようとしている方には全く参考にならない話です。

ではどういう生徒がこの記事を参考にするべきか、具体例を挙げて説明します。

例えば下記のような偏差値の生徒がいたとします。(偏差値が実力を完全に反映しているものとします)

算数55 国語50 理科45 社会45  4科総合50

この生徒が55の学校を受けるとした場合、総合であと5以上あると安心です。算数は既に足りています。

では、戦略として算数は足りているからこれからは国理社に時間を投入すれば良いのかという話です。


もし、カッシーがある程度の期間指導したことのある生徒でしたら即決で方向性を決められます。

普段の様子を見ているため、この先さらに算数を積み重ねて算数が60になるのかどうかの見通しが立っているからです。

2月1日時点で60になりそうならば確実に算数重視でいかせます。

難しそうなら他教科を揃えにいかせます。

算数が60になりそうなのに理社50を目標にするというのはよほどの理由が無い限り有り得ません。(上のデータを見ればわかりますね!)


それほど算数に安定感があることは重要なのです。


ここまで書いて思い出しましたが、今年、アントレは2月1日の吉祥女子入試において例年以上の合格率でした。

正直言ってここまで上手くいくとは思いませんでしたので(失礼!)、次年度に生かすために色々と分析をしたのですが、算数の平均点が例年に比べ低かったことがわかりました。

内容を見ても


「彼女達ならこの位だったら解くだろうな」


というのがわかったので、算数でかなりアドバンテージを取ったことは容易に想像できます。

算数の強い一般的なアントレ生にとって一番有利な条件


中途半端に難化


という最高の条件をたまたまGETしてしまったわけです。



もちろん全教科万遍なく高い方がベストなのは間違いありませんが、それができたら苦労しません。

何をやれば良いのかわからなくなった時には、こういったデータもあるということを思い出して下さい。

上限が見えるまで算数を追うというやり方はそれなりに多くの生徒に有効です。

とはいえ、水の量だけでなく器も一緒に成長していきますから、その上限の判断が難しいんですけどね…。


参考にしてみて下さい。


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プロフィール

カッシー

Author:カッシー
首都圏の中学受験専門塾で教室長をやっております。
中学受験情報、塾内での出来事、雑談等を記事にしていきます。
mail:kassy@sk-antore.com
HP:カッシーが教えている塾
Twitter:@kassy_ant

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