妄信的に手法を真似ることの是非

カッシーは意外と型にこだわります。

こだわらないものもありますが、こだわるものに関しては結構厳しいです。

最近で言えば5年生の化学反応の計算やニュートン算なんかそうですね。

何年か指導経験を積んでいくと、生徒達にすんなり入っていかない単元というのがわかります。(積まなくても大体わかりそうですけど…)

例えば「流水算」のように「速さ」単元の理解が必須であることから、単元的に高次元になっているものだったり、「電気」のように独立した単元であるものの、日常的に触れる機会が無いため原理自体のイメージがしにくいものだったりします。

このような「わかりづらい単元」はまず型にはめることが多いです。

型にはめるとは、簡単に言えば


「こういうフォーマットで解こうね」


というのを強制するということです。



「やれ」と言われたことを何も考えずに妄信的に「やる」生徒が多い年度は高いレベルで安定感が出ます。

妄信的で良いの?と思うかもしれませんが、妄信的で良いです。

ベストではありませんけれども、その次に良いことです。


本当は


「こうやろう」


と言われたら


「なぜこうやるの?」


となり、やる理由だったりその手法の「利点」を全て理解してから「やる」のが最高です。

しかし、単元にもよりますがそれはほとんど不可能に近いです。

その手法の「利点」の理解は(「手法」の理解ではありません)、そもそもその単元自体の深い理解が必要なことと、数多くの入試問題を様々な手法で解いて比較した上で「やっぱりこれがベスト」と納得して初めて得られるものだからです。


「〇〇だから△△しなさい」


という理屈は内容が簡単であったり単純な場合でしか通じないことが多いです。

例えば


「痩せるためには運動しなさい」


と言われたら、腹は立つけど納得はできます。

運動すれば痩せられるというというのを普通に生きていれば誰でも知っているからです。

しかし、初めて化学計算を習う時に


「化学計算で点を取るためにはこの手法でやりなさい」


というのは先ほどの例とは全く違います。

そこに理解や納得はありません。

なぜそのやり方でやらないといけないのかがよくわからないまま強制されるのです。

そこを妄信的に


「わかった、とりあえずやってみよう」


と思うのか


「いや、なんでそれでやるの?意味わかんない」

「自分の解き方でもできてるし別にいいじゃーん」(←まだ簡単なものにしか触れていない)


と思うのかでスタートから大きく差がついてしまうのです。


相当賢い子でしたら後者でも全くかまいません。

初めての時にはわからなくても、何問か解けばすぐに


「ああ、だからこうやれって言ったのか」


と理解して軌道修正できるからです。

しかし、そんな子はそうそうおりませんので、実際にはこの「何問か解けば」の期間が相当長くなるのです。

そして受験に間に合わなくなります。


本当は、化学反応の実験をして、その結果データを丁寧にとり、次にそのデータを分析して仕組みを理解したあとに詳しく原理の説明され、最後に問題を解くという段階になって初めて手法の話をするのが教育としては良いのでしょう。

それは学校でやっていることです。

内容によるとは思いますが、実験から始まり、講義、問題演習に1ヵ月はかけるのが当たり前だと思います。


しかし、1週間で問題を解ける所まで持って行こうというのが塾です。


この短期間で問題を解くレベルまで上げるには、説明された手法を妄信的に真似る以外に何ができるでしょうか?

正直、かなり雑な教育と言わざるをえません。

こうなると、塾に行かせたくなくなる方もいらっしゃるかもしれませんね。





あ、マズい


塾で飯食っているのを思い出した


えっと…

自滅方向には結論を持っていきませんのでご安心を^^

とりあえずそろそろ寝ないと明日から大変なんで、続きは次回にしますね!



↓また次も読んでみたいという方は、更新のモチベーションになるため、クリックで応援よろしくお願いします!
にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(指導・勉強法)へ



テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

曖昧なまま先へ進んで良いのか

今は大体の塾がスパイラル方式のカリキュラムを採用しております。

スパイラル方式とは、簡単に言えば単元を5年までにさっさと終わらせて、残り1年で何度も同じ単元をくり返すことです。(4年のものを5年でくり返すこともあります)

くり返していく中で、どこかのタイミングで単元の内容を身につけて入試を迎えます。


例えば、今回5年のテスト範囲になっている「ニュートン算」

6年のこの時期までに6割位の生徒は、予習シリーズ5年下に載っている応用例題レベルはしっかりマスターできております。

年度による差はありますが、毎年大体この位の割合です。

もっと詳細でリアルな数字を書きますと

Sクラス→全員できる(はず)
Aクラス→6割位
Bクラス→2割位
Cクラス→0割

こんなものです。

これは突然出されてできるという意味で、単元テストのようなものをやらせたらもう少し上がると思います。(準備ができるので)

B、Cクラスにはキツい数字を出してしまって悪いですけれども、これが現実です。

さらにキツいことを言うと1年前、6年Bクラスが5年Bクラスだった時と比べても正答率に差は無いと思います。


1年間何をしてたんだ


という話になりますね…。

しかし、5年Bクラスは1ヶ月後にほぼ0割になるのに対し、6年Bクラスは3割4割と上がっていきます。


ここに1年の差があるのです。


難しい単元でも1年かけて定期的に4回、5回と繰り返していくと何とか定着するようになります。

今は3回、4回のところです。

おぼろげに「何となくわかったようなわかっていないような…」という感覚だったものが、次の1回で「あぁ、そういうことだったのか!」となり、その後何度か反復して定着します。

こう書くと

「1回目に曖昧にせずにしっかり詰めれば良いのではないか」と思うかもしれません。

しかし、それができたら苦労しないわけです。


いきなりですが、カッシーはTBSドラマの「陸王」を毎週観ています。

その中で竹内涼真さんが演じる長距離ランナーの茂木選手が、身体の負担を減らすことのできるミッドフット走法を身に着けようとするものの、中々上手くいかずに苦労するシーンがありました。

ランナーですからミッドフット走法の理論は頭では理解できているはずです。

しかし、現実にやろうとすると上手く走れません。

もしランナーを自分に置き換えて考えても、短期間では中々難しそうだというのはわかります。

聞いてわかることと自分がやれることは全く別物だからです。


生徒達は一週間という短期間で4科それぞれの単元を習います。

週の最後にようやく

「わかりかけてきた、つかみかけてきた」

という感覚になる生徒も多いでしょう。


しかし残念なことに、


すぐに次の週になります


だから1回目で定着しないのです。

あまり子供達を責めないであげて下さい。

ほとんどがカリキュラムのせいです。


もし曖昧さをきっちり詰めようと思ったら1つの単元に2、3週必要となります。

2、3週あればかなりの割合の生徒がしっかり定着しますので、これも1つの方法だと思います。


しかし、そうなると大きな問題が2つあります。


【①単元が終わらない】

入試日というタイムリミットがある以上、過去問演習などを考慮すると少なくとも6年生の夏までには出題される可能性のあるカリキュラムを網羅しなければいけません。

そのため1つの単元に2週も3週もかかけていたら、カリキュラムが終わらないまま入試へ突入することになります。

個別指導だけで受験するご家庭が気をつけなければならないのは、まさしくこの点です。

個別指導というのは周りの子に関係なくその子に合わせたペースでやれることがメリットなのですが、本当にそれをやってしまうと生徒の能力によっては受験までにカリキュラムが終わりません。

それを無理矢理終わらせようとするならば、結局は本人の理解が不十分なまま次の単元へ行くことになりますので、個別であるメリットが死んでしまい、競争心が養われにくく料金は高いというデメリットだけが残ってしまうのです。

集団授業は1人に対するフォローは弱いものの、全体で動くので勉強に強制力が生まれるというとても大きなメリットがあるため、ベースは集団授業で進め、理解不十分なところを個別で補うというのが今の主流だと思います。(もちろんその分お金がかかるのが辛いところです)


【②塾は上位に合わせる】

もう1つは1週間で定着できる生徒が一定数いることです。

1週間で理解→定着までできる生徒に2週も3週も同じことをやらせたら、上位層が誰もいなくなります。

それなら上位層ではない生徒はどうすれば良いのでしょうか。

はっきり申し上げまして、どうしようもありません。

これは非常に残念なのですが


ある程度曖昧でも先へ進むしかありません


そして「くり返し学習する」という現在のカリキュラムの特長を最大限に生かし、出てくる度に何度もトライするのです。

今がダメでも、トライして、またトライして、どこかでマスターするのです。

それを最後までめげずに実直にやりきれる生徒が伸びるようなカリキュラムになっております。



大多数は上位層ではありません。

それでも今のカリキュラムでみんな頑張っているのです。

特に5年生は単元の難易度が上がり、予習も復習もはかどらず、復習しても定着している様子も見られないことに悩んでいる方もいるとは思います。

しかし、「どこかで身につくはず」と本人を信じ、諦めずにサポートしてあげて欲しいと思います。



↓また次も読んでみたいという方は、更新のモチベーションになるため、クリックで応援よろしくお願いします!
にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(指導・勉強法)へ



テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

受験勉強と行動経済学3

続きです。


間違えパターンを知れば知るほど、その問題を深く理解できると前回書きました。

では、その間違えパターンはどうやって見つければ良いでしょうか。


まずは自分自身の答案から見つけることです。


6年生は今、必死で過去問を解いていると思います。

解き終わった後に直しをやらなければいけませんが、直しというのは間違えた問題の解答解説を読んで、意味を理解したり覚えたりするだけでは不十分です。

ジャンルによってはほとんど意味を成さないこともあります。

例えば上位難関校の理社にありがちな、誰も勉強してきていない初めてのテーマをその場で考える問題なんかはその典型です。

そのテーマの原理や仕組みを理解したからといって、全く同じものが出題されることはほぼありません。

終わった後に


「へぇー、こういう仕組みだったんだ」


で終わりです。ちょっとした雑学が数週間頭に残るだけです。(そして忘れます)


一番大事なのは、自分の答案と模範解答の答案を比べて、どうやったら自分の答案から模範解答というゴールにたどり着けるかを分析することです。


例えばリード文にヒントがちりばめられていたのに、それを見逃して全く見当違いの記述を書いてしまったとします。

この場合、「この学校はリード文にヒントがちりばめられている」という学校の傾向を学ぶと同時に、「次はリード文をよく読む」ということを反省材料にすべきです。

一方で、リード文のヒントには気づいていたけれども、知識が足りなくて関連付けられなかったとします。

この場合は「この単元の知識が不足している」という自分の特徴を理解すると同時に、「この単元の知識を詰めていく」という行動を取るべきです。

同じ不正解でもそれぞれやるべきことが異なります。



算数においても同じです。

例えば、解くためにやるべきことは理解できていたのに、最後の比例式の処理で間違えたとします。

この場合、「比例式の基本を確認してみる」という行動をとるべきです。


同じ問題でも、比例式はできていたけれども最後の計算だけ間違えたとします。

この場合、「どんな計算の間違え方をしたか」を記録して、自分が計算間違えしやすいパターンを把握しておくべきです。


異なる10人が同じ問題を間違えたら、直しのやり方が自分の答案次第で全員異なります。


「できなかった問題に対し解答、解説を読んで理解する」なんてことは


最低限のことに過ぎません。


よく「大量にこなしているのにできるようにならない」という方がいます。

このような方の大多数は4科トータルではそんな悪くないのが特徴で、暗記科目ではそれなりの得点を取ります。

それなりどころかかなり良いケースも多いです。

なぜなら暗記科目は「ゴールを何回繰り返し見たかが」が重要な科目であり、出発点をあまり気にする必要が無いからです。

しかし暗記科目以外も同様の勉強法でやるからおかしなことになります。

「大量にこなしているのにできるようにならない」のではなく、「大量にこなせないものまで大量にこなそうとしているからできるようにならない」ということに気づいて欲しいと思います。



6年生の話をしましたが、実はこういった姿勢は低学年のうちに身につけておかなければいけません。

アントレの算数ノートを使ってする復習はこの訓練にうってつけです。

残念ながら算数の復習をする時に、左下(自分の考え方・式)を気にせず、右下(解答・解説)だけ読む生徒が多いです。

正しい解説を理解することは大切です。

しかし、出発点を理解しておくことも同様に大切です。

アントレが答えだけで評価せずに必ず式・やり方を書かせるのは、他人に見せるためだけでなく、自分の思考を自分が後で追うためでもあります。


「授業の時の自分は何を思ってこの解答を書いたのか」

「そしてこの解き方のどこが間違えているのか」


こう考えながら、〇がもらえていない自分のしょぼい解き方を見るわけです。

きっと色々な発見があります。

その発見こそが今の自分から成長するための、大事な材料になるのです。






と、指導者風にカッコ良く終わろうとしたのですが、実はこのままでは終われない理由があります。

実はですね…

タイトルがですね…

「受験勉強と行動経済学」なのに


行動経済学の話をほとんどしていない

dousiyou.jpg





全然違うテーマで盛り上がっちゃったYO…。


えー…釈明をさせていただきます。


まずこれは知人にされた質問がたまたま行動経済学に関してであり、そこから始まって「間違えパターンを知ることは大事だよー」と話を広げ、次に「自分の答案を分析することで間違えパターンを理解することになるよー」っていうことを言いたくて、でもとりあえず最初の記事にタイトルをつけるにあたって一番話題に出ていたのが行動経済学の話だったからとりあえず何も考えずにつけただけで、ふと気づくと記事がPart3とかまで進んじゃってて心の中では書きながら「Part2以降全然触れてないけどどうしよう…」って思ったけれども気づかないふりしてそのまま突っ走って、でも「最後に無理矢理関連付ければなんとかなるんじゃないか」っていう後付けプランで行こうと思ったは良いものの、それを考えるのが…とても面倒くさくなっちゃったというだけなんです!!!純粋にただそれだけなんです!!!(めっちゃ早口)





今回のことから


ノリでタイトルをつけるとこうなる


という間違えパターンを自分自身の記事から学ぶことができました。


このように人は成長することができますので、参考にしてみて下さい。


失敗の予防学―人は、なぜ“同じ間違い”を繰り返すのか
中尾 政之
三笠書房
売り上げランキング: 268,536


↓また次も読んでみたいという方は、更新のモチベーションになるため、クリックで応援よろしくお願いします!
にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(指導・勉強法)へ



テーマ : 中学受験
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

カッシー

Author:カッシー
首都圏の中学受験専門塾で教室長をやっております。
中学受験情報、塾内での出来事、雑談等を記事にしていきます。
mail:kassy@sk-antore.com
HP:カッシーが教えている塾
Twitter:@kassy_ant

最新記事
カレンダー
11 | 2017/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ランキング
応援していただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(指導・勉強法)へ


メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR