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盲目的に手法を真似ることの是非2

すいません…。

ブログを書く暇がありませんでした!

ツイッターは細かい空き時間で何も考えずにやれるので、暇を見つけてちょこちょこやっていたのですが、ブログはまとまった時間が必要ですね。

今日は入試応援をお休みしたのでこのチャンスを逃さず書きます!


続きです。


守破離(しゅはり)という言葉があります。

師弟関係のあり方の一つで、


守は「言われた型を守る」

破は「既存の型を破る」

離は「型から自由になり、型から離れる」


という意味があります。

離まで行くと、自分の流派を作ったりするレベルになりますね。


指導員と生徒の関係も、ある意味師弟関係みたいなものです。(アントレではあまりそういう関係っぽくなりませんけど笑)

実はこの守破離ですが、中学受験においてほとんど適用されないと思っています。

4年からスタートとして考えるとせいぜい3年です。

しかもその間、同じことをずっと教えているのではなく、どんどん新しいことを習います。


つまりずっと「守」です。
※指導員の解法がイマイチな時は「破」になることがありますが…笑


中学受験で「破」や「離」まで行くのは指導員レベルになった時の話です。実際カッシーも10年教えていて


「こっちの方が算数らしい解法なんじゃないか?」

「赤本に書いてある解法ではなく、こう解いた方が本質をついているし、汎用性もあるよね」


と思うことはよくあります。

(いつものように)少し話がそれますが、誤解があってはいけないので1つ申し上げておきますと汎用性の高い解法が必ずしも良い解法とも言えないことも多いです。

1つ例を挙げてみます。


5年下で「倍数算」を習います。

差が一定、和が一定等に注目して、「比をそろえる」という概念で解く問題です。


【例題】
兄と弟ははじめ3:1の所持金でしたが、2人とも300円ずつ使ったので所持金の比は4:1になりました。はじめの兄の所持金を求めなさい。


かなり算数の苦手な生徒だと


「弟が1で変わってないじゃん!」


となって、先に進まないということもあります。

その場合はまず具体例を出してあげると良いです。

比が苦手な子に抽象概念で比の本来の意味をいくら説明しようとしても大体が徒労に終わります。

1つ例を出してあげればそういうこともあるんだと納得でき、少し成長すれば自然と意味を理解してくれます。


さて、この問題は比の基準を同じにするために、2人の差が一定で変わっていないことを利用して、3:1の差の「2」と、4:1の差の「3」をそろえにいきます。(最小公倍数の「6」が良いですね)

比は自由に動かせるので、3:1をそれぞれ3倍→⑨:③とし、4:1をそれぞれ2倍→⑧:②にします。

これでやっと比の基準がそろったので、兄は⑨→⑧、弟は③→②になってやっぱり同じだけ減っていたんだということがわかります。

①=300円なのではじめの兄は⑨=2700円になります。(ヨーイドンで出せば10秒以内に終わる問題ですね!)


このように、一定なものにそろえるというのが倍数算です。

兄が300円を弟にあげたというような問題の場合は和にそろえれば良いのです。


しかし、兄が300円使って、弟は200円使ったといったような場合だと、一定なものが何もないため「比例式」という解法で問題を解くことになります。


具体的にははじめの兄を③、弟①としてしまって、式を作ります。

③-300 : ①-200 = 4 : 1

あとは 内項の積=外項の積 を使って(式は省略します)

①=500 とし ③=1500円

となります。


さて、ここで家でお父様お母様がご家庭でこの単元を教える時、少し賢い方だと気付いてしまうのです。


倍数算は全て比例式で解けてしまう


ということに。

別に差が一定であろうが、和が一定であろうが、そうでなかろうが、全て比例式を作って①算で処理すれば終わりです。

つまり、汎用性の高さで言えば比例式が圧倒的に優れているため、最初から比例式を教えようということですね。

比例式は言ってしまえば方程式と同じです。

「公式にぶちこんであとは式を処理する」というやり方です。

中学受験未経験のお父様ですと、特にこのような発想になりがちです。

実際に生徒達を見ていると


(こんなの一度も教えてないんだけどな…これは多分お父さんに鍛えられたな笑)


というようなことがよくあります。

ただ、残念ながら算数全体で見た場合、この単元で「比をそろえる」「比を自由に動かす」ということを教えないと、後々「面積と辺の比」「相似形」で苦労をすることになります。

また、倍数算単体で見た場合も、少し応用になるとやはり倍数算の考え方が必要になってきます。

2017年桐朋①大問5、2008年の武蔵大問3などは比例式で無理矢理解くこともできなくはありませんが、倍数算で解けばとても楽になり、他の問題を解く時間が大幅に確保できます。

とりあえず問題と答えだけ載せておきますので、興味と時間のある方はやってみて下さい。

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2017年 桐朋① 大問5
3つの箱A、B、Cにそれぞれ同じ個数のボールが入っています。AからBとCに同じ個数のボールを移したら、Aに入っているボールとBに入っているボールの個数の比は2:3になりました。

(1)Aからボールを移したあと、Aに入っているボールの個数はAからBに移したボールの個数の何倍ですか。
(2)次に、BからAとCに5個ずつボールを移し、さらに、CからAとBに同じ個数のボールを移したら、A、B、Cに入っているボールの個数の比は4:5:4になりました。A、B、Cに入っているボールの個数の合計は何個ですか。
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2008年 武蔵 大問3
ある駅伝大会では、参加チームそれぞれにお菓子とみかんの個数の比が7:5になるように配ると、お菓子は5個、みかんは2個余る予定でした。ところが、参加チームが増えたため、お菓子とみかんの個数の比を3:2にして配ったところ、お菓子は1個、みかんは6個余りました。

(1)お菓子は全部で何個ありますか。
(2)参加チームは予定よりも6割増えたそうです。実際に参加したのは何チームですか。考えられるチーム数をすべて答えなさい。
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以下、答え(白文字にしています)
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桐朋 (1)6倍 (2)312個
武蔵 (1)145個 (2)8チーム、16チーム

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このように指導員側は先を見据え、敢えて汎用性の低い倍数算を教えているわけなのですが、その時その単元のその問題だけ教えてあげているお父様お母様にその意図が分かるはずもなく(きっちり見られている方は受験が終わってからわかることもあります)、ましてや生徒本人がわかるはずもありません。


ここで話を戻しますが(長かった…)


だからこそ、生徒達はずっと「守」なのです。





はい、気がついたらいつものようにめちゃくちゃ長くなっていたので、一旦切ります。

次で最後です!入試応援の合間をぬって、頑張って数日以内に更新します!


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