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逆転合格の真実2

続きです。

どこか1校を選んで説明してみます。

アントレでそれなりに志望者がいる武蔵にしましょう。(使いやすいですし)


musashi2017data.jpg


これは2017年入試の得点分布データです。
例えば、国語の51点~60点は161人おり、そのうち24人が合格しているということがわかります。

こういったデータを見て大事なことに気づけないようでは困ります。

データや資料は今の時代どこにでも溢れています。塾関係者でなくても多くの情報を得ることができます。

しかし、大事なのはそれをどう読み、解釈するかです。

入試問題でもデータ(グラフ、表、文章)の読み取りをして記述式で答えるというのが増えてきました。

大学入試改革も控えておりますし、良い練習になるかもしれませんね!

musashi2016data.jpg

ついでに2016年のも貼ってみました。

算、国、社の平均がこの2年を比べるとかなり違うので、良い材料です。

しかし、どちらも注目しなければならない大事な点だけは変わっていないのです。

標準偏差とか分散とか難しいことは言いません。シンプルにいきます。


算数の山が潰れてないですか?


2017年は算数の難易度が高かったため左に寄りすぎておりますが、2016年は平均的な良いバランスのテストなのでとてもきれいで参考になります。

理社は得点を12等分しているので本来算国より理社の方が潰れた山になりがちです。実際国語は高い山になっていますね。

しかし、算数は10等分にもかかわらず理社より潰れていることがわかります。


今回は関係ありませんが、グラフのチェックをする場合は縦軸の目盛りを必ず気にするようにして下さい。一定でなかったり、切れ目を付けて省略することで例えば100→110を2倍になったかのように見せる手法もあります。

見る側の思考を意図的に誘導するために作られているデータが世の中には多いです。(テレビを見ているとよくわかりますね^^)


あ、某塾のグラフはセンスがあって好きです
※あの立体感最高!


他に気づくことは何でしょう。

白い部分に注目してみて下さい。

算数だけ白い部分が左側に寄っているのがわかります。2017年は単体でもわかりますし、2016年は算国を比べると顕著ですね。


これが潰れている理由にもなっているのですが、何を意味しているのかを考えていきます。


各教科の得点の左の方(低い方)を見ていきますと、国、理、社にはそもそもそれほど人数がいないことがわかります。

しかし、算数だけは得点率3割以下のゾーンの中に相当な人数がおります。その相当な人数いる生徒のうち、合格者の割合はほぼ0です。


もう少し細かく見ていきます。


科目ごとに受験者平均を取れなかった生徒が合格している割合を調べていきます。

2017年を見ますと
国語→約35人
算数→17人
社会→約60人
理科→約60人
※読み取れる範囲の人数です。

2016年も見てみましょう
国語→約40人(予測)
算数→約20人
社会→約50人
理科→約50人


これを見ると、算数が苦手だったり失敗してしまうことだけは許されないというのがわかります。

それでも合格者の1割は算数の受験者平均を下回っても受かっております。この1割について考えてみましょう。


2017年で、算数で受験者平均だったが、残り3教科は全て合格者平均を取ることができたとします。


算40.4+国68.4+社34.1+理38.5=181.4点(合格最低180点) 合格


合格はしましたが、かなりギリギリです。

算数の難易度が高く、差がつきにくかった2017年度でこれです。2016年で見てみましょう。


算48.6+国51.1+社43.4+理39.1=182.2点(合格最低184点) 不合格

4科目中3科目合格者平均点を取っても合格できませんでした。
また、算数37点以下の受験生はデータを読み取ると200人弱(受験生全体の1/3)おりますが


全員不合格です。


もう少し細かく見ますと算数38点~48点で合格者がわずかにおります。先程の結果から、この受験生は国、理、社で合格者平均よりさらにもっと上の得点を取ったことがわかります。

それ程の実力者ならば、算数だけが相当苦手というごくわずかな受験生を除き、本来もっと取れる実力がある可能性が高いです。

そう考えるとこの少数の受験生は、実力はかなりあるけれども単に1回きりの算数テストで失敗してしまった(が、何とか合格に届いた)という生徒がほとんどでしょう。

ということは、頑張っても算数で受験者平均程度しか取れない実力の生徒は、他の3教科がよっぽど素晴らしい成績でない限りそもそも受験資格が無いということになります。(厳しい言葉ですが…)


さて、今度は逆に算数のみ合格者平均で、残り3教科が全て受験者平均しか取れなかったと仮定しましょう。
結果だけ載せます。

2017年
算54.9+国61.1+社29.8+理34.2=180.0点(合格最低180点) 合格

2016年
算67.7+国45.2+社39.0+理39.1=191.0点(合格最低184点) 合格

2016年は余裕を持って合格できています。


今回は2016年、2017年の武蔵を例にとりましたが、学校が変わるとデータの読み方も少し変わってきますので注意して下さい。

受験者層、入試問題のレベルや構成、各教科の配点、倍率等が武蔵と異なるためです。

例えばデータで示した2016年、2017年の武蔵は共に倍率が3倍を超えておりますが、2017年の駒東は受験者514人に対して272人の合格者ですので実質倍率が2倍を切っています。

この場合、合格最低点が受験者平均とほぼ同じラインに来ます。実際、4科の受験者平均249.1点に対して合格最低が249点でした。

こうなるとちょっと変わってきますね。

また、2017年開成は武蔵と同様に算数合格者平均、国理社を受験者平均で合格できますが、理社の配点が高いことと受験者平均自体が高得点であることを考えると、理社の力もしっかりしていないと平気で受験者平均を大きく下回ってしまいます。(最近社会が難しめですが)

各学校ごとにそれぞれ特徴がありますね。

今回示したような細かなデータをお持ちで無くても、赤本には合格者平均、受験者平均、合格最低が載っています。(一部の学校を除く)

是非、ご自身で志望校の分析をしてみて下さい。色々とわかることがあるはずです。


ちなみにここまで読んで


算数だけやればいいのか!


と思うのは危険です。

平均点にもよりますが、国理社のどれか1つでも得点率が4割を切ってしまった受験生はほぼ不合格というデータも読み取れますので注意して下さい。



さて、今回は実際の入試だけにピックアップした内容となりました。

次回は模試で出てくる偏差値とこの結果を関連付けて説明したいと思います。(これを書かないと「逆転」の説明ができませんので)


次回は期間をあまり空けずに、早めに更新します!



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