曖昧なまま先へ進んで良いのか

今は大体の塾がスパイラル方式のカリキュラムを採用しております。

スパイラル方式とは、簡単に言えば単元を5年までにさっさと終わらせて、残り1年で何度も同じ単元をくり返すことです。(4年のものを5年でくり返すこともあります)

くり返していく中で、どこかのタイミングで単元の内容を身につけて入試を迎えます。


例えば、今回5年のテスト範囲になっている「ニュートン算」

6年のこの時期までに6割位の生徒は、予習シリーズ5年下に載っている応用例題レベルはしっかりマスターできております。

年度による差はありますが、毎年大体この位の割合です。

もっと詳細でリアルな数字を書きますと

Sクラス→全員できる(はず)
Aクラス→6割位
Bクラス→2割位
Cクラス→0割

こんなものです。

これは突然出されてできるという意味で、単元テストのようなものをやらせたらもう少し上がると思います。(準備ができるので)

B、Cクラスにはキツい数字を出してしまって悪いですけれども、これが現実です。

さらにキツいことを言うと1年前、6年Bクラスが5年Bクラスだった時と比べても正答率に差は無いと思います。


1年間何をしてたんだ


という話になりますね…。

しかし、5年Bクラスは1ヶ月後にほぼ0割になるのに対し、6年Bクラスは3割4割と上がっていきます。


ここに1年の差があるのです。


難しい単元でも1年かけて定期的に4回、5回と繰り返していくと何とか定着するようになります。

今は3回、4回のところです。

おぼろげに「何となくわかったようなわかっていないような…」という感覚だったものが、次の1回で「あぁ、そういうことだったのか!」となり、その後何度か反復して定着します。

こう書くと

「1回目に曖昧にせずにしっかり詰めれば良いのではないか」と思うかもしれません。

しかし、それができたら苦労しないわけです。


いきなりですが、カッシーはTBSドラマの「陸王」を毎週観ています。

その中で竹内涼真さんが演じる長距離ランナーの茂木選手が、身体の負担を減らすことのできるミッドフット走法を身に着けようとするものの、中々上手くいかずに苦労するシーンがありました。

ランナーですからミッドフット走法の理論は頭では理解できているはずです。

しかし、現実にやろうとすると上手く走れません。

もしランナーを自分に置き換えて考えても、短期間では中々難しそうだというのはわかります。

聞いてわかることと自分がやれることは全く別物だからです。


生徒達は一週間という短期間で4科それぞれの単元を習います。

週の最後にようやく

「わかりかけてきた、つかみかけてきた」

という感覚になる生徒も多いでしょう。


しかし残念なことに、


すぐに次の週になります


だから1回目で定着しないのです。

あまり子供達を責めないであげて下さい。

ほとんどがカリキュラムのせいです。


もし曖昧さをきっちり詰めようと思ったら1つの単元に2、3週必要となります。

2、3週あればかなりの割合の生徒がしっかり定着しますので、これも1つの方法だと思います。


しかし、そうなると大きな問題が2つあります。


【①単元が終わらない】

入試日というタイムリミットがある以上、過去問演習などを考慮すると少なくとも6年生の夏までには出題される可能性のあるカリキュラムを網羅しなければいけません。

そのため1つの単元に2週も3週もかかけていたら、カリキュラムが終わらないまま入試へ突入することになります。

個別指導だけで受験するご家庭が気をつけなければならないのは、まさしくこの点です。

個別指導というのは周りの子に関係なくその子に合わせたペースでやれることがメリットなのですが、本当にそれをやってしまうと生徒の能力によっては受験までにカリキュラムが終わりません。

それを無理矢理終わらせようとするならば、結局は本人の理解が不十分なまま次の単元へ行くことになりますので、個別であるメリットが死んでしまい、競争心が養われにくく料金は高いというデメリットだけが残ってしまうのです。

集団授業は1人に対するフォローは弱いものの、全体で動くので勉強に強制力が生まれるというとても大きなメリットがあるため、ベースは集団授業で進め、理解不十分なところを個別で補うというのが今の主流だと思います。(もちろんその分お金がかかるのが辛いところです)


【②塾は上位に合わせる】

もう1つは1週間で定着できる生徒が一定数いることです。

1週間で理解→定着までできる生徒に2週も3週も同じことをやらせたら、上位層が誰もいなくなります。

それなら上位層ではない生徒はどうすれば良いのでしょうか。

はっきり申し上げまして、どうしようもありません。

これは非常に残念なのですが


ある程度曖昧でも先へ進むしかありません


そして「くり返し学習する」という現在のカリキュラムの特長を最大限に生かし、出てくる度に何度もトライするのです。

今がダメでも、トライして、またトライして、どこかでマスターするのです。

それを最後までめげずに実直にやりきれる生徒が伸びるようなカリキュラムになっております。



大多数は上位層ではありません。

それでも今のカリキュラムでみんな頑張っているのです。

特に5年生は単元の難易度が上がり、予習も復習もはかどらず、復習しても定着している様子も見られないことに悩んでいる方もいるとは思います。

しかし、「どこかで身につくはず」と本人を信じ、諦めずにサポートしてあげて欲しいと思います。



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No title

>>??? さん(5:14)
懐かしいですね笑

4年の冬はまだ全く焦る時期ではありませんから、あの時はああいう判断をしました。

結局上のクラスでやっているいることは5年になってまたやりますから、出ていないことのデメリットはそれほどありません。

それよりも学習習慣だったり本人の意欲だったりそちらを育てるほうがよっぽど大事だと思います。

あ、ラクダさんは教材作成と採点作業に忙しすぎてしばらくは無理だと思います笑



>>??? さん(9:24)
こちらこそ、先日はありがとうございました。

この時期、同じように悩むお母様は多いですから笑

気持ちは強い子ですから、それをうまく生かして欲しいと思います。個別を始めてもすぐに学力が変わるわけではありせんが、学習リズムが良くなったり姿勢が良くなる生徒は多いです。

あと一ヵ月で新6年です。頑張りましょうね!

No title

カリキュラムのスパイラル方式は4年から6年の単元を見比べるとわかりますね。ところで、算数のカリキュラムで比の単元を最後にするのは何故なんでしょうか。先にするのは難しいからですか?

乾燥して寒い日が続きますね。そろそろたたみイワシになりましたか(笑)

No title

>>たたみイワシ さん
比にたどり着くまでは

約数・倍数→分数の約分・通分→割合(相当算)→比

というステップを踏んでいきます。

例えばA=4、B=6の場合
「AはBの2/3」(割合) と 「A:B=2:3」(比)
というのは表現は違うけれども同じことをやっているというのを教えなければいけないからです。

分数は分子分母を自在に変えられますし、比も同じように変えられます。本質的には同じだということです。

それに加え比例式を教える場合には①算や消去算の理解も重要になってきます。

実際には4年あたりから授業無いでちょこちょこ登場させているのですが、「比」を単元として一気に教えようとする場合には意外と色んな単元の下地が必要になるんです。



さすがにもうシラスは無いです!笑

復習方法について

初めて投稿させていただきます。
単元の内容を定着させるための復習の方法についてお伺いしたく、メール致しました。
アントレでは、予習→授業→宿題→総合回という流れでカリキュラムが進んでいきますので、この一連の流れの中で、宿題のところまでで、ある単元につき3度学習していることになるかと思います。そうしますと、学習回数に比例して定着率が上がっていくのが一般的だと思いますので、4度目の総合回では、それまでよりも正答率が上がっても良さそうな気がしますが、残念ながら、我が子の場合はそうはなっておりませんで、むしろ、回数に比例して逓減しているような気がいたします。勿論、問題の難易度が上がっていること等もあるのかもしれませんが、それを差し引いても、やはり定着率はむしろ下がっているような気がするところです。
原因は、本人が実は理解できていない、あるいは理解が浅いということに加えて、資質の問題もあるかと思いますが、スパイラル方式によるこの先の定着に期待つつも、自助努力として何らかの改善策を今のうちに見出しておきたいと考えているところです。
このため、これまでの上記の一連の流れの中での学習に加えて、遅ればせながら、定着させるための復習を徹底させようかと考えているところですが、このような場合において、
①白板問題や宿題プリントといった一度解いた問題を繰り返し解き直した方が良いのか、
②他の参考書等の類題を解いた方が良いのか、
について、将来的な効果の観点から、考えてあぐねているところです。といいますのも、①の考えに基づき、同じ問題を複数回解かせてみたことがあるのですが、ことうちの子について言えば、回数と正答率は一見したところ正比例関係にはないようなのです。一方で、②の考えにより多角的に当該単元に触れることにより理解が深まるという見方もあると思うのですが、それが真に功を奏するのか否かを見通すこともできませんし、時間的な制約から、本人がそれを実践することもなかなか難しそうなのです。
つきましては、新学年を迎える前に、せめて学習スタイルだけでも目星をつけておきたいと考えておりまして、新学年での個別指導との併用も含め検討しているところですが、上記のような状況において、①または②のいずれの方法をとるべきか、あるいはこれ以外(①②のハイブリッド含む)の方法がございましたら、ご教示いただけると幸甚です。
どうぞ宜しくお願い致します。

No title

>>グリーンベレー さん

いつもありがとうございます。

ご相談の件ですが、本人を直接見ていないので(見ているかもしれませんが)お答えするのは何とも難しいところです…。

例えば家庭学習をやっているのに思ったように上がって行かない生徒の特徴として「授業をあまり聞いていない」というのがあります。

授業をやっていると

「ずっと聞いている生徒」
「大事なところは聞く生徒」
「聞きたい時だけ聞く生徒」
「ほとんど聞いていない生徒」

大体このパターンに分かれ、クラスが下がる程下の割合が増えます。

後ろ2つのような生徒の場合、家庭学習に関して保護者様にアドバイスをしてもあまり効果が無い場合もあります。

このように、本人の性格、粘り強さ、本人のクラスと定着させたい問題レベル(シリーズ基本問題レベルなのか、応用演習問題集レベルなのか)、授業中の姿勢がわからない状況であまり良いアドバイスはできそうにありません。(ついでに申し上げるならば学年も)

担当の指導員に直接相談するのが一番近道だと思います。



しかし、せっかくコメントをして下さったので、一般論でよろしければ少しだけ書かせていただきます。

まず、複数回反復をしても定着している様子が見られないということは、そもそも意味を理解して解いていない可能性が高いです。(小学生でなくても意味のわからない数字の配列は覚えられません)

「今、何を求めて、次に何を出そうとしているのか」を「数字を使わずに言葉で」説明させてみて下さい。

もう少し突っ込んで「なぜその式を立てようとしたのか」まで聞いてもいいです。

保護者は大変ですが、本人の横についてそこをしっかり詰めることが大事です。

教材は白板のみでかまいません。それがきっちりできれば数字を覚えている覚えていないは一切関係が無いからです。


ご相談内容の②のように新たな教材が必要になるケースがあるとすれば以下の通りです。


・難易度が全く合っていない。
はじめの1問目から何度説明しても全く理解できない場合は、根本から変えるべきです。ただ、そこまででは無さそうな気がします。(おそらく)

・完全に内容は理解しているので、解くスピードと正確性を上げたい。
グリーンベレーさんの例には当てはまらない気がします。単元を理解する手段として新たな教材をお考えになっているからです。

・見たことの無い難問に数多く触れたい。
相当力のある生徒が対象ですので、失礼ながらおそらくこれも当てはまらない気がします。


まずは、定着よりも問題の理解度を高めることを目標にしていただければと思います。どうしても理解できなければとりあえず今回は諦めて下さい。そういう単元はどうしてもありますし、算数の思考力が育っていけばどこかのタイミングで理解できます。

もし、もっと短いスパン(まとめテストで結果が出ない)のことでお悩みでしたら、尚更白板のみに絞った方が良いと思います。クラスにもよりますが、授業で類題をかなり扱っているからです。

このくらいでしょうか…。

繰り返しますが、お子様のタイプによっては的外れなアドバイスの場合もありますので、担当の指導員にご相談されるのが一番近道だと思います。

現時点ではこの位しかお力になれませんが、参考になればと思います。
プロフィール

カッシー

Author:カッシー
首都圏の中学受験専門塾で教室長をやっております。
中学受験情報、塾内での出来事、雑談等を記事にしていきます。
mail:kassy@sk-antore.com
HP:カッシーが教えている塾
Twitter:@kassy_ant

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