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質問の処理の仕方3

続きです。

【②質問者が数ヶ月後それを自力で解けるようになるのか。】
ある問題に対する自分の状態を大きく3つに分類してみます。


A:自力で解ける

B:解説を読んで解き方を理解できる

C:解説を読んでも解き方が理解できない


Bの状態で「わかった」となり、それをゴールとしている生徒は、常にフォーカスがCに向きます。

しかし実際にはBをAに引き上げることが得点を伸ばすために最も重要なのであって、CをBにすることではありません。

Bの状態を「わかった」としている生徒(や親)に対してBをAにする指導というのは満足度の低いものとなり、CをBにする指導をすると高い満足度を感じてくれます。


なぜなら「わからないもの」が「わかった」となる方が感動が大きい上に、教えてもらった感が出るからです。

一方で「わかった」ものを「使いこなせる」状態にする作業はとても地味です。


後者は質問で持ってくる類のものではありませんし(質問の最中に問いかけることはありますが)、個別指導でわざわざ教えてもらわなくても1人でやれます。

しかし、1人でやれる生徒はこの問題に対する自分の状態はBであるという認識ができる生徒限定の話です。

実際にはそんな生徒は少数派ですし、AとBの色分けができていない生徒ばかりです。(それが普通です)

この色分けができるできないは算数の能力の問題ではなく、その子の性格や精神年齢の影響が大きいです。


「本当はできていた」

「家で落ち着いてやればできた」

「あのミスが無ければできていた」


こういう発言が多い子はBとAの区別がついていないケースが多く、危険信号です。

同じことを言って子供をかばう親もおりますが、カッシーはあまり良いこととは思いません。(子供に対する優しさから出る発言だとは思うのですが…)

かばうのではなく、子供が「ミスをした」と主張する問題を「まだBなのではないか?」と疑うことが大事です。

それをしっかり覚えておいて、しばらく置いてから同じものを解かせてみて欲しいです。


A、Bの区別として1つわかりやすい例を挙げてみます。

4年生で初めて「つるかめ算」を習った時に以下のような問題が出たとします。


「ツルとカメが合わせて10匹おり、合計の足の本数は26本です。ツルは何匹いますか?」


詳しい説明は省きますが、以下が答えになります。

(4×10-26)÷(4-2)=7匹…答え

しかし、答えを3匹としてしまう生徒が必ず一定数おります。

ちなみに3匹はカメの数です。

すると


「あー、間違えてかめの数を出しちゃったー。ミスったー笑」


と、笑いながら「本当はできていたのに」ということを主張します。

ちなみにこのケースでミスである可能性はほぼ0%です。

つるかめ算の習熟度が低いため、式を立てた後に出てきたものが何だったかがわかっていないのです。

ちなみに6年生にもなれば習熟度が高くなり、単純なつるかめ算で出す方を間違えることはまずありません。


間違えた生徒は

(26-2×10)÷(4-2)=3匹…答え

こう式を立てます。(初めてだとほとんどの生徒が式を分けて書きますが)

間違えた理由としては、おそらく式の形を覚えるのに使った問題が「足の本数が多い方を求めるパターン」だったからでしょう。


他の間違えパターンとしては、正しい式でしっかり7匹と出しているのに

10-7=3匹

という余計な式をつけてしまうものです。(この時点で、「形が正しい式だっただけ」で、本質は全く理解できていないことがわかります)

「最後は引かないといけない」と思い込んでいたり、酷い例になると「少ない方を答えにしないといけない(以前やった問題が少ない方が答えだったから)」と思い込んでいるとそうなります。


さて、ここで算数の力がつくかつかないかの大きな分岐点になります。


(あれ…つるかめ算ってどっちを求めるかで式のパターンが変わってくるのか。まずい、わかってなかった…。というかそもそもなんでこの式でツルが直接出せるんだ?)

となるのか

(全体から引くのを忘れただけで、本当はできていたのに!)

となるのか


後者はAにするチャンスを自ら潰してしまっております。

カメを出せてしまったことで、自分がAの状態にいると錯覚しているのです。

家に帰っても


「最後10から引き忘れちゃってミスったよー」


と報告します。

それを聞けば


「それは惜しかったねー。次は問題をよく読みなさいね」


これで終わってしまいます。

本当に重要な所がぼやけたままテストに突入し、間違えます。

そしてお決まりの文句


「家でやったときはできてたのに…」


残念なことに、こういった生徒の得点が順調に伸びていくことはありません。


先に述べたように、BからAまで詰められるかどうかはその子の性格や精神年齢によるところも大きいです。

これはそうそう変わるものでは無く、そこが詰められない生徒はずっと詰められないままなので、テストで40点近辺しか取れない生徒は範囲が変わってもやはり40点近辺を取り続けます。

80点以上取れる生徒は範囲が変わっても80点以上を取り続けるのです。

多少の上下はありますが、範囲が変わっても上位ランカーが固定化されている原因の多くはここにあります。


詰められない生徒が算数の得点力を伸ばそうと思えば、自分だけでは不可能なAとBの色分けを他人に手伝ってもらいながら、Bを発見してAにする地道な作業をするしかないのです。



まだ②の途中ですが、長くなったので、次に続きます!

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