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なぜ模試の算数は参考にならないのか

6年生は模試ラッシュですね。

志望校別等も受けている方は毎週のように模試…模試…模試…。

今回は何度かお伝えしているテーマですが、また少し触れたいと思います。



模試というのは色んな学力レベルの生徒が受けるため、算数の問題では易しい問題から難しい問題が並んでいます。

例えば問題が10問あったとして以下のように難易度が決まっています。

1問目の難易度は1
2問目の難易度は2



10問目の難易度は10

必ずしもこうではありませんが、わかりやすくすると、このように作られているのです。

話を単純にするために100点満点として話をします。(多くの模試は150点満点ですが)

Aくんの算数の学力を4とすると、1~4問目が正解するので単純計算で40点
Bくんの算数の学力を6とすると、1~6問目が正解するので単純計算で60点

こうなります。



一方、入試問題というのは狭い学力帯の生徒を正確に振り分けるために作られています。

例えば偏差値50の学校の受験生は学力4~6近辺の生徒が多いため、この生徒達を振り分けなければいけません。

当然学校としてはなるべく学力6の生徒を入学させたいわけです。


さて、ここでどう作問するかを考えます。

難易度1~4を出題すればほぼ全員が解けてしまい、7~10の問題はほぼ全員が解けません。

学校としてはこれらの問題を出題しても、振り分けができないので、多くの問題を難易度5と6にします。

そうすることで学力4の生徒を確実に不合格にし、学力6の生徒を多く合格させることができます。


すると

【模試の場合】
Aくん→40点 Bくん→60点 得点差20点

【入試の場合】
Aくん→0点 Bくん→100点 得点差100点

こうなります。(かなり極端ですね!)



実際には、偏差値50近辺でしたら、入試問題にも計算問題や軽めの一行問題が入っているので全てが難易度5、6ではありません。

もう少しリアルな数字に寄せますと、実際の入試では難易度1~4が4割程度、5、6が5割程度、7以上が1割となります。(学校にもよりますが)

これでも学力4の生徒は40点、学力5の生徒は65点、学力6の生徒は90点になり、大きな差が生まれます。

学力4と6の生徒の得点差は模試では20点差、実際の入試では50点差となります。



算数に強いアントレの生徒達が模試の偏差値は低いのに(失礼!)、模試の判定で出る確率以上に合格したり、学校別模試の方が成績が良いのはこのような仕組みになっています。

ですから、アントレで模試の偏差値を成績の参考にしている指導員はほとんどおりません。

ほぼ全員が「授業での達成度」、「土曜日の入試演習クラスの結果」、「家での過去問の結果」これらを参考にしています。


では、なぜ受けさせるのかというと、受けさせないと保護者が不安になるからです。(ほぼそれだけです)


「それだけなら受ける意味ないじゃん…」


と思うかもしれませんが(個人的には十分な理由だと思います)、そんなことはありません。

模試に関しては最重要科目である算数の振り分け機能が働いていないため、結果として4科トータルの信頼性が低く、判定を参考にしていないというだけです。

教科単体で見た場合、例えば理社などはしっかりその生徒の実力を振り分けるテストになっていると思います。(武蔵などの学校に対しては、国理社も参考になりませんが)



これは予想になってしまいますが、大手塾で偏差値が低く下のクラスなのに「まさかの合格」となる子は算数の力がある子です。

算数でワンランク上の問題も解けるのに、模試での4科トータルの成績が低く下のクラスに配属されているだけで、そういう子でも本番の算数で実力が出せれば、他教科で多少マイナスでも合格してしまいます。(ちなみにこのような生徒はアントレではすぐ上のクラスに案内してしまいます。)

逆に、上のクラスなのに「まさかの不合格」となる子はおそらく国理社で得点を稼いでいた子です。

算数で失敗してしまった場合、得点差のつきにくい国理社では挽回するのが難しいからです。


大手塾に所属していて「模試で高い偏差値を取りたい」とか「より上位のクラスに入りたい」と思うのならば、低学年のうちから算数以外の教科を必死にやることをオススメします。

努力というコストに対する模試での得点上昇のパフォーマンスがとても高いからです。

しかし、志望校の入試問題を見て「算数が結構難しいな…」と思うようでしたら、4、5年のうちに算数を必死にやって下さい。

道中での4科トータルの偏差値は伸びませんし、上のクラスへ上がれないかもしれませんが、それでもです。

6年の後期になると過去問演習が始まります。

算数の下地の無いところで必死に過去問演習をしても、どうしても積み上げに限界が出てしまいます。

算数というのは覚えたらすぐに解けるような科目と違い、理解し使いこなせるようになるための熟成期間が必要なため、後追いで何とかするのがとても難しいのです。

国語はともかく理社でしたら後追いでもなんとかなる部分が大きく、結果的に何とかならなかったとしても算数程の大打撃にはなりません。



というわけで、模試の算数についてダラダラと書いてみました。

別に大手塾の模試の質が悪いわけではなく(むしろ良いものを作っていると思います)、こればっかりはどうしようもないです。

受ける側がその辺りをしっかりわかっていれば、ある程度は冷静に数字を見ることができるのではないかと思います。



ある程度はですが。



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