Zoom授業ってそんなに素晴らしいの?
昨今、ネットの情報を眺めていると
「Zoom授業を早く導入して欲しい」
「このまま動画授業を続けるつもりなら減額するべき」
と言ったような声が多く、「Zoom授業を導入していない塾は怠慢である」という風潮が全体としてあるように思います。(導入してて良かった…)
確かにSAPIXは、全クラス共通の短いポイント解説動画だけで済ませていたようなので、月謝が高めの塾ということも考えると気持ちはわからなくもないです。
そんな声に(無理矢理?)押されるようにして、GW明けから少しずつZoom授業へと動き出すようです。(全学年ではないようですが)
日能研や四谷大塚、栄光ゼミナールあたりは、現在も動画授業ですね。
サピは保護者のクレームから渋々動いた感じもありますが、まだ誰からも求められていない時に動き出した早稲アカはすごいと思います。
初めは早稲アカも「動画の質が…」みたいな流れで大荒れでしたが、ここで一気に形勢逆転しましたね。
特に好きな塾ではないですが、というか嫌いですが、この点は中々やるなと思いました。
さて、ここで疑問なのですが
Zoom授業ってそんなに素晴らしいの?
ということです。
冒頭でも書きましたが、何だかZoom授業を導入しさえすれば子供もやる気が上がり、学力も伸び、彼女も出来て、宝くじも当たるみたいな風潮がありますが、実際の所どうなんでしょう?
既に動画授業からZoom授業へ切り替え済みの立場から、この件について少し書いてみようと思います。
まずは動画授業とZoom授業を比較して、各々の優れている面を挙げます。
【動画授業】
・時間制限が無いので情報を詰め込める
・編集次第で質を上げられる
・好きな時間に何度でも観られる(デメリットにもなる)
【Zoom授業】
・対面授業に近い集中力が保てる
・その場でやりとりができる
・一緒に勉強する仲間がいる
以上を踏まえて、動画授業の方が向いている生徒の特徴を挙げます。
・勉強習慣がついており、自己管理ができる
・勉強へのモチベーションと理解力が高い
・勉強内容そのものに価値を感じており、他人とのコミュニケーションや競争を必要としていない
こういった生徒は動画で提供される情報が正しく有益ならば、学力は伸びていきます。
倍速再生等も出来るため、効率という点では対面授業やZoom授業より勝っています。
まとめると、「生徒の質と動画の質が良い」という条件さえ揃えば最強の学習手段になるということです。
問題点としては、この条件に当てはまる確率が中学受験生全体で考えると低いということですね。
次にZoom授業に向いている生徒の特徴を挙げます。
・集中力が低い
・ある程度強制力がないと勉強ができない
・コミュニケーションや競争が好き
…
あんまり良いことを書けませんでした。
まぁ、でも実際そうなので仕方ないですね。
やはり「リアルタイムで一斉にやっている」という事実が、生徒を勉強の方向へ向かわせます。実際に生徒達の様子を見ていても、集中力は対面授業と全く変わらないです。
まとめるとZoom授業は「生徒達の集中力を引き上げる手段」であり、「効率を追う手段」ではないということです。
ここで唐突に
学習効率×集中力=学力アップ
という謎な式を作ってみます。
この式が合っているかはわかりませんが、そんなに間違えてはいないはずです。
動画は「学習効率」を引き上げる手段で、Zoomは「集中力」を引き上げる手段となるので、基本的には「足りない方を補う」方が自分にとって最良の学習手段となります。
いくら学習効率が良くても集中力がまるで無いなら全く意味がないので、この場合は集中力を少しでも上げると学習効率が生きてくるということです。そして、元々高い集中力をさらに多少高くしたところでそれほど意味を持たないので、低い学習効率の方を上げた方が良いですね。
何言ってんだこいつ?
という方に数字で表しますと
9×1=9
という式がありまして、左辺の9と1のどちらかに1を足すとなると
(9+1)×1=10 より 9×(1+1)=18 の方が良いということです。
え、もし
学習効率+集中力=学力アップ
だったらどうなるのかって…?
知らん笑
…
というわけで、いつものように長くなったのでそろそろ結論を書きます。
結局、Zoomにして集中力を引き上げたところで、授業の質が落ちてしまったら実際はほとんど意味が無い(むしろ悪くなる可能性もある)ということです。
例えばサピや早稲アカなどは半分以上学生講師や非常勤講師なので、動画に出ている専任講師の方がむしろ説明が上手い可能性すらあります。もし、今見ている動画を酷いと感じるなら、実際の授業はもっと酷いかもしれませんし、そもそも頭の中で想像している中学受験の講師のレベルと、実際の中学受験の講師のレベルが乖離している可能性もあります。(サピは授業見学できませんからその辺りはわかりませんし)
Zoom授業へと要求をするのは良いのですが「Zoomにしてどういう講師がどういう授業形態でやるのか」をしっかり把握してからが良いですね。場合によっては改悪アップデートになりかねません。
結局Zoomはただの舞台でしかなく、演者やストーリーの方が大事ですから。
…
さて、結論が終わった所で、授業形態に関して少しだけ。
2週間程前、テレビで中学受験のZoom授業を特集しており、授業形態を思案中だった自分からすると「これは観るしかない!」(というかパクるしかない)と思い視聴を楽しみにしていました。
ちょうど算数授業だったので、ラッキーと思って見ていたのですが、実際には「一見、双方向っぽくなっている」だけで、生徒の答えの導き方を指導員が把握して評価を下したり、修正しているようには見えませんでした。
ただ、これは授業の一部を切り取っただけの動画なので、別のシーンでは細かく生徒達を見ている可能性もあります。(ただ、全員の手元を見ようと思ったらスピーカービューにはしないと思うんです…)
批判のような書き方になってしまいましたが、授業の進行を重視してわざとそうしているのかもしれませんし、生徒達の手元を見ることは特に重要でないと考える方もおりますので、そこに正解はありません。
ただ、アントレとは指導の方向性が違うため、残念ながら全く参考にならなかったというだけです。
そして最後に、生徒の学力がどうとか全く無視した発言をしますが
1人で撮る動画より
みんなでやるZoom授業の方が楽しい!
ということで、カッシーはZoom授業の方が好きです。
↓また次も読んでみたいという方は、クリックで応援よろしくお願いします!
「Zoom授業を早く導入して欲しい」
「このまま動画授業を続けるつもりなら減額するべき」
と言ったような声が多く、「Zoom授業を導入していない塾は怠慢である」という風潮が全体としてあるように思います。(導入してて良かった…)
確かにSAPIXは、全クラス共通の短いポイント解説動画だけで済ませていたようなので、月謝が高めの塾ということも考えると気持ちはわからなくもないです。
そんな声に(無理矢理?)押されるようにして、GW明けから少しずつZoom授業へと動き出すようです。(全学年ではないようですが)
日能研や四谷大塚、栄光ゼミナールあたりは、現在も動画授業ですね。
サピは保護者のクレームから渋々動いた感じもありますが、まだ誰からも求められていない時に動き出した早稲アカはすごいと思います。
初めは早稲アカも「動画の質が…」みたいな流れで大荒れでしたが、ここで一気に形勢逆転しましたね。
特に好きな塾ではないですが、というか嫌いですが、この点は中々やるなと思いました。
さて、ここで疑問なのですが
Zoom授業ってそんなに素晴らしいの?
ということです。
冒頭でも書きましたが、何だかZoom授業を導入しさえすれば子供もやる気が上がり、学力も伸び、彼女も出来て、宝くじも当たるみたいな風潮がありますが、実際の所どうなんでしょう?
既に動画授業からZoom授業へ切り替え済みの立場から、この件について少し書いてみようと思います。
まずは動画授業とZoom授業を比較して、各々の優れている面を挙げます。
【動画授業】
・時間制限が無いので情報を詰め込める
・編集次第で質を上げられる
・好きな時間に何度でも観られる(デメリットにもなる)
【Zoom授業】
・対面授業に近い集中力が保てる
・その場でやりとりができる
・一緒に勉強する仲間がいる
以上を踏まえて、動画授業の方が向いている生徒の特徴を挙げます。
・勉強習慣がついており、自己管理ができる
・勉強へのモチベーションと理解力が高い
・勉強内容そのものに価値を感じており、他人とのコミュニケーションや競争を必要としていない
こういった生徒は動画で提供される情報が正しく有益ならば、学力は伸びていきます。
倍速再生等も出来るため、効率という点では対面授業やZoom授業より勝っています。
まとめると、「生徒の質と動画の質が良い」という条件さえ揃えば最強の学習手段になるということです。
問題点としては、この条件に当てはまる確率が中学受験生全体で考えると低いということですね。
次にZoom授業に向いている生徒の特徴を挙げます。
・集中力が低い
・ある程度強制力がないと勉強ができない
・コミュニケーションや競争が好き
…
あんまり良いことを書けませんでした。
まぁ、でも実際そうなので仕方ないですね。
やはり「リアルタイムで一斉にやっている」という事実が、生徒を勉強の方向へ向かわせます。実際に生徒達の様子を見ていても、集中力は対面授業と全く変わらないです。
まとめるとZoom授業は「生徒達の集中力を引き上げる手段」であり、「効率を追う手段」ではないということです。
ここで唐突に
学習効率×集中力=学力アップ
という謎な式を作ってみます。
この式が合っているかはわかりませんが、そんなに間違えてはいないはずです。
動画は「学習効率」を引き上げる手段で、Zoomは「集中力」を引き上げる手段となるので、基本的には「足りない方を補う」方が自分にとって最良の学習手段となります。
いくら学習効率が良くても集中力がまるで無いなら全く意味がないので、この場合は集中力を少しでも上げると学習効率が生きてくるということです。そして、元々高い集中力をさらに多少高くしたところでそれほど意味を持たないので、低い学習効率の方を上げた方が良いですね。
何言ってんだこいつ?
という方に数字で表しますと
9×1=9
という式がありまして、左辺の9と1のどちらかに1を足すとなると
(9+1)×1=10 より 9×(1+1)=18 の方が良いということです。
え、もし
学習効率+集中力=学力アップ
だったらどうなるのかって…?
知らん笑
…
というわけで、いつものように長くなったのでそろそろ結論を書きます。
結局、Zoomにして集中力を引き上げたところで、授業の質が落ちてしまったら実際はほとんど意味が無い(むしろ悪くなる可能性もある)ということです。
例えばサピや早稲アカなどは半分以上学生講師や非常勤講師なので、動画に出ている専任講師の方がむしろ説明が上手い可能性すらあります。もし、今見ている動画を酷いと感じるなら、実際の授業はもっと酷いかもしれませんし、そもそも頭の中で想像している中学受験の講師のレベルと、実際の中学受験の講師のレベルが乖離している可能性もあります。(サピは授業見学できませんからその辺りはわかりませんし)
Zoom授業へと要求をするのは良いのですが「Zoomにしてどういう講師がどういう授業形態でやるのか」をしっかり把握してからが良いですね。場合によっては改悪アップデートになりかねません。
結局Zoomはただの舞台でしかなく、演者やストーリーの方が大事ですから。
…
さて、結論が終わった所で、授業形態に関して少しだけ。
2週間程前、テレビで中学受験のZoom授業を特集しており、授業形態を思案中だった自分からすると「これは観るしかない!」(というかパクるしかない)と思い視聴を楽しみにしていました。
ちょうど算数授業だったので、ラッキーと思って見ていたのですが、実際には「一見、双方向っぽくなっている」だけで、生徒の答えの導き方を指導員が把握して評価を下したり、修正しているようには見えませんでした。
ただ、これは授業の一部を切り取っただけの動画なので、別のシーンでは細かく生徒達を見ている可能性もあります。(ただ、全員の手元を見ようと思ったらスピーカービューにはしないと思うんです…)
批判のような書き方になってしまいましたが、授業の進行を重視してわざとそうしているのかもしれませんし、生徒達の手元を見ることは特に重要でないと考える方もおりますので、そこに正解はありません。
ただ、アントレとは指導の方向性が違うため、残念ながら全く参考にならなかったというだけです。
そして最後に、生徒の学力がどうとか全く無視した発言をしますが
1人で撮る動画より
みんなでやるZoom授業の方が楽しい!
ということで、カッシーはZoom授業の方が好きです。
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